2つ目は緑白召集トークンです。経緯は1つ目の赤黒の記事を参照して下さい。
トークンをたくさん出して召集コストをサポートしていくアーキタイプです。ただ横に並べただけで終わらないよう、
・並べるカード
・召集カード
・展開力を活かしてフィニッシュにつなげるカード
をバランスよく集める必要があります。

リミテッドの基本はコモンなので、緑白に入る全てのコモンのリストをみて全体像を把握します。召集のカードのコストはマナコスト-1をしています。明らかにアーキタイプと合わないものは予め省いています。

特に注目すべきカードは赤字になっています。
☆コモンクリーチャー
1マナ
《宮廷のホムンクルス/Court Homunculus》《シミックの信徒/Simic Initiate》《ツカタンのサリッド/Tukatongue Thallid》《皮剥ぎの鞘/Flayer Husk》

使いたいと思えるカードが1枚もないです。
記憶に新しい基本セット2015のリミテッドでは、1ターン目1マナクリーチャー→2ターン目急報→3ターン目《三つぞろいの霊魂/Triplicate Spirits(M15)》という、全てコモンで集められるドブンがあったので多少1マナクリーチャーの重要度が増していましたが、今回はそれもなさそうなので無理に入れる必要はなさそうです。

2マナ
《急報/Raise the Alarm(MRD)》《古の法の神/Kami of Ancient Law》《太陽の槍のシカール/Sunspear Shikari》《水辺の蜘蛛/Aquastrand Spider》《ナーリッドの群れ/Gnarlid Pack(WWK)》《巣の侵略者/Nest Invader》《きらめく鷹の偶像/Glint Hawk Idol》《ルーンの苦役者/Runed Servitor》

2マナ域は《急報/Raise the Alarm(MRD)》と《巣の侵略者/Nest Invader》だけで埋めるくらいのつもりでかき集めたいですね。
《巣の侵略者/Nest Invader》は他のデッキでも人気がありそうですが、《急報/Raise the Alarm(MRD)》は白黒や白青が取りにくいのでドラフト後半でも比較的拾いやすく余裕があります。
その他の所謂「熊」達は可もなく負荷もなく。前述の2種類で枚数が足りなかった分を埋め合わせる程度でしょう。

3マナ
《空狩人の散兵/Skyhunter Skirmisher(5DN)》《カヴーの上等王/Kavu Primarch》《野生の末裔/Scion of the Wild》《まばゆい魂喰い/Blinding Souleater》《陰極器/Cathodion(USG)》《鎌切り/Sickleslicer》

ここには召集デッキの核となる2枚のカードがあります。
《カヴーの上等王/Kavu Primarch》は序盤に3/3として盤面を固める役割を持ちながら終盤はフィニッシャーになれる万能カードです。最初に述べた3つの要素の内、後半2つを満たしているので安定感があります。
《野生の末裔/Scion of the Wild》は召集とは書いてないですが、デッキの重要なフィニッシャーです。横に並べる意味を見出してくれるカードです。その秘めたるポテンシャルはこのカードが元々レアだったことからも伺えます。
《まばゆい魂喰い/Blinding Souleater》3マナのタッパーは強すぎず、強いです。
《陰極器/Cathodion(USG)》から出たマナの使い道は《種のばら撒き/Scatter the Seeds》くらいで、上手くプレイできたら少しハッピーになります。

4マナ
《議事会の密集軍/Conclave Phalanx》《月明かりの徘徊者/Moonlit Strider》《コジレックの捕食者/Kozilek’s Predator》《種のばら撒き/Scatter the Seeds》

《議事会の密集軍/Conclave Phalanx》は序盤盤面を作っている間に失ったライフを回復してくれます。とても強力というわけでないですが、アグロなデッキを相手にするときは負けないために重要です。他の白のデッキにとって余り魅力的なカードではないので、ドラフト後半にゆっくり回収できます。この手の役割の尖ったカードをいかに遅い順目で取れるかが、デッキ全体の完成度に依存してきます。
《コジレックの捕食者/Kozilek’s Predator》《種のばら撒き/Scatter the Seeds》どちらもトークン生成をしてくれます。《コジレックの捕食者/Kozilek’s Predator》の方が堅実で《種のばら撒き/Scatter the Seeds》のほうがシナジー寄りです。《種のばら撒き/Scatter the Seeds》はインスタントナノが重要で、対戦相手の予想外のタイミングで《野生の末裔/Scion of the Wild》のサイズが上がったりします。

☆コモンスペル
除去
《拘引/Arrest》《太陽の槍/Sunlance》《垂直落下/Plummet(CNS)》《はらわた撃ち/Gut Shot》

緑白というカラーリングらしく除去は殆どありません。《拘引/Arrest》は貴重な確定除去です。代わりが効かないので緑白召集のコモンの中で最も優先するカードでしょう。
飛行持ちクリーチャーや到達持ちクリーリャーが多いわけでもなく、やや遅めの、除去の少ないデッキ。これは僕の経験的に確実に飛行に負けるパターンのデッキなので、《垂直落下/Plummet(CNS)》も重要なカードです。2枚位取れると安定します。勿論サイド用ですが、除去が特に少ないとかメインが1枚足りないとかならメインから1枚取ることも考えます。
戦闘関連
《使徒の祝福/Apostle’s Blessing》《補強/Fortify(M14)》《力強い跳躍/Mighty Leap》《来世への旅/Otherworldly Journey》《生育/Thrive》《巨森の蔦/Vines of Vastwood》《銅の甲殻/Copper Carapace》《帆凧/Kitesail》

横に並べるデッキなので単体強化のジャイグロとは特別に相性が良いということはありません。
より重要なのは呪禁やプロテクションを与えるカードで、1体の巨大クリーチャーに力を集めて闘うことが多くなるので単体除去を回避するカードは大切です。
補強は白のフィニッシャーで、横に並べたクリーチャーでそのまま攻勢に出ることを可能にします。コモンの全体強化はこれ1種類しか無く貴重なので、やや優先して取る必要があります。
装備品はフィニッシャーである《野生の末裔/Scion of the Wild》や《カヴーの上等王/Kavu Primarch》をチャンプブロックから外したいので《帆凧/Kitesail》が1枚あると楽になります。

その他
《天羅至の掌握/Terashi’s Grasp》《自然との融和/Commune with Nature》《不屈の自然/Rampant Growth》《隔離する活力/Sundering Vitae》《森の報奨/Sylvan Bounty》《太陽の宝球/Sphere of the Suns》《旅人のガラクタ/Wayfarer’s Bauble》

帰化は暇な時にとっておくと青白をおよび赤白を相手にするときに役立つでしょう。
中速デッキは強力レアを3色目にタッチする場合もあるのでその時には色マナサポートが役に立ちます。

さて、ひと通り見終わったので理想型を考えてみます。
クリーチャー
1マナ
無し
2マナ
《急報/Raise the Alarm(MRD)》《巣の侵略者/Nest Invader》
3マナ
《カヴーの上等王/Kavu Primarch》《野生の末裔/Scion of the Wild》
4マナ
《議事会の密集軍/Conclave Phalanx》《コジレックの捕食者/Kozilek’s Predator》《種のばら撒き/Scatter the Seeds》
スペル
《拘引/Arrest》《太陽の槍/Sunlance》《垂直落下/Plummet(CNS)》
《使徒の祝福/Apostle’s Blessing》《巨森の蔦/Vines of Vastwood》《補強/Fortify(M14)》《帆凧/Kitesail》

ポイントは最初にも述べたように
・トークン
・召集
・フィニッシャー
の3つですがバランスよく揃っているように見えます。
また、「特にこれが集めにくい」といったパーツも目立ったものはありません。
なので、比較的簡単に召集のシナジーを組めて気持よくなれそうです。

問題は、「うーん……確かに綺麗にまとまってるけど、何となく弱そう」という感想が思い浮かぶことだと思います。勝ち切れないイメージですね。そこでアンコモンにはさらなる爆発力を求めていきます。

☆アンコモンクリーチャー
1マナ
2マナ
《マイア鍛冶/Myrsmith》《セレズニアのギルド魔道士/Selesnya Guildmage(RAV)》
3マナ
《炉火のホブゴブリン/Hearthfire Hobgoblin》《安息無き亡霊/Restless Apparition》
4マナ
《幽体の行列/Spectral Procession》《タージ=ナールの剣鍛冶/Taj-Nar Swordsmith》《藻のガリアル/Algae Gharial》《細胞質の根の血族/Cytoplast Root-Kin》《カープルーザンのイエティ/Karplusan Yeti》
5マナ
《黄昏の守護者、秘加理/Hikari, Twilight Guardian》《獣性の脅威/Bestial Menace》《根の血族の同盟者/Root-Kin Ally》
7マナ
《ペラッカのワーム/Pelakka Wurm》

《セレズニアのギルド魔道士/Selesnya Guildmage(RAV)》は分かりやすく戦略に噛み合った強力なカードですね。序盤中盤終盤と隙がないのが魅力です。
《マイア鍛冶/Myrsmith》は1回でもトークンが出たら2マナのクリーチャーとして十分仕事をするので、デッキと相談して使えそうなら、強くもないが悪くもない2マナとしてピックするのもありです。基本的にはバニラですね。
《幽体の行列/Spectral Procession》は白2つを含む合計4マナで唱えても十分強力です。1枚で勝ちまで持っていく程のパワーが有ると思います。
《藻のガリアル/Algae Gharial》は一見強さがイメージしづらいですが、元のアラーラのとき思っていたよりやる子だったので、クリーチャーの死にやすいトークン系のデッキなら積極的なピックに値します。相手のクリーチャーもカウントするので想像以上にもりもり成長します。
《黄昏の守護者、秘加理/Hikari, Twilight Guardian》はただの5マナ4/4飛行としてリミテッドではスゴイ級のカードです。
《獣性の脅威/Bestial Menace》は素のカードパワーが高く、さらにデッキの方向性と噛み合っているという文句なしのカード。
《根の血族の同盟者/Root-Kin Ally》は緑白召集に置いては重要なクリーチャーですが他のデッキにとってはそうでもないのでこの手のアンコモンが5~7手目で取れるとデッキが引き締まります。不運にも3-1や3-2で出くわしてしまい、より強いカードがない場合は1週を期待するのは流石に傲慢なので渋々取ることになります。
《ペラッカのワーム/Pelakka Wurm》は難しいですね。エルドラージのときは相手に出されたら台パンするくらい強いので台パンワームと呼ばれたりしていました。強いのは確実ですが、取ったら7マナを出すことを意識しなければなりません。

☆アンコモンスペル
《天界の粛清/Celestial Purge》《忘却の輪/Oblivion Ring》《変異原性の成長/Mutagenic Growth》《圧倒/Overwhelm》《印章の祝福/Sigil Blessing》《選別の高座/Culling Dais》《ダークスティールの斧/Darksteel Axe》《探検の地図/Expedition Map》《永遠溢れの杯/Everflowing Chalice》《迫撃鞘/Mortarpod》《転倒の磁石/Tumble Magnet》 《テゼレットの計略/Tezzeret’s Gambit》《四肢切断/Dismember》

緑白はアンコモンを見ても除去が少ないですね。相変わらず《忘却の輪/Oblivion Ring》は貴重な確定除去です。
《印章の祝福/Sigil Blessing》が目を引く強さ。緑白ではこういうコンバットトリックが喉から手が出るほど欲しかったカードです。これを見てピックしないなんてことは考えたくもありません。
《圧倒/Overwhelm》こいつはどうなんでしょう。せっかく強化したクリーチャーが寝てしまうのは…。かなり沢山トークンが出るカードが取れたなら考慮する価値があるでしょう。戦場に7体クリーチャーがいて2体召集の5マナで唱えて5体が+3/+3修正を受けて殴れれば強そう。

アンコモンを含めた理想型は
クリーチャー
1マナ
無し
2マナ
《急報/Raise the Alarm(MRD)》《巣の侵略者/Nest Invader》《セレズニアのギルド魔道士/Selesnya Guildmage(RAV)》
3マナ
《カヴーの上等王/Kavu Primarch》《野生の末裔/Scion of the Wild》
4マナ
《議事会の密集軍/Conclave Phalanx》《コジレックの捕食者/Kozilek’s Predator》《種のばら撒き/Scatter the Seeds》《幽体の行列/Spectral Procession》
5マナ
《獣性の脅威/Bestial Menace》《根の血族の同盟者/Root-Kin Ally》
スペル
《拘引/Arrest》《太陽の槍/Sunlance》《垂直落下/Plummet(CNS)》《忘却の輪/Oblivion Ring》
《使徒の祝福/Apostle’s Blessing》《巨森の蔦/Vines of Vastwood》《補強/Fortify(M14)》《印章の祝福/Sigil Blessing》《帆凧/Kitesail》


~全体のまとめ~
緑白召集の場合はコモンのみで基本骨格が完成していて、アンコモンでデッキパワーの底上げが図られていますね。
アンコモンで追加されたのはフィニッシャーの部分が多く、3マナ域のクリーチャーに少し安定感が欠けているので、《陰極器/Cathodion》をシナジーとは関係なしに3マナ3/3の安定感を買ってピックすることも多そうです。
2マナの《急報/Raise the Alarm(MRD)》と《巣の侵略者/Nest Invader》が多くとれてれば取れてるほどデッキの完成度が増して他のカードも強くなります。ここの枚数が少なくなることがないように。
繰り返しになりますが、このデッキは飛行に負けます。垂直落下を取ることを忘れずに。

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