青黒増殖?について モダマスアーキタイプドラフトNo.3
2015年5月21日 TCG全般 コメント (1)3回目は青黒増殖です。1回目の記事に経緯とかが書いてあるので、そちらも合わせて読んで下さい。
青の移植と黒の狂喜と-1/-1カウンター、アーティファクトの蓄積カウンターを増殖していきます。
パッとリストを見た感じでは、増殖単体ではデッキ1つ分を作るほどパーツが無いようにみえるので、他にアーティファクトギミックも組み合わせる必要がありそうです。
(最終的に増殖要素は殆ど抜けてしまいました。ここから途中までの文章はそれに至る経緯として読んで下さい)
ではいつも通りコモンから見て行きましょう。
青黒で使える全てのカードをリストにしてあります。明らかに使えないものは予め省いてあります。
特に注意すべきカードは赤字になっています。
☆コモンクリーチャー
《薄暮狩りのコウモリ/Duskhunter Bat》を使うつもりなら《吸血鬼の裂断者/Vampire Lacerator》は重要な1マナ域になるでしょう。僕の予想ではそのパターンは劣化赤黒になりそうなので、積極的に目指す必要はないと思います。流れでやることにはなるかもしれません。
《皮剥ぎの鞘/Flayer Husk》はアーティファクトと言えどあんまり使いたくないです。
《かき鳴らし鳥/Thrummingbird》は増殖のシナジーに最も依存したカードです。ただの1/1飛行のスペックはデッキに入るレベルではないので、如何に増殖出来るかがこのカードの価値を決めます。アンコモン以下で複数回増殖できるのもこのカードだけなので、上手く増殖できればどんどんアドバンテージを稼ぐことが出来ます。
カウンターを扱う青黒のコモンの中で扱いやすい部類に入るのが《鎌の切り裂き魔/Sickle Ripper》です。
増殖をしなくても2マナのクリーチャーとして十分な仕事をするのが偉いですね。万が一2点で倒しきれない戦闘になった時に、増殖でトドメをさせるのでシナジーをしている気にさせますが、最初の段階で損しているのでそこまで得をしているわけでもないのです。損をしなかったことになるだけです。どんなに増殖を頑張っても、タルキール龍紀伝の2/1接死に追いつくだけ、と言えば分かりやすいでしょうか。
注目したいのが《突風掬い/Gust-Skimmer》です。マナがかかるとはいえ、中盤終盤に空から殴れるのは偉大で、さらにアーティファクトカウントを稼いでくれます。《ルーンの苦役者/Runed Servitor》も同じアーティファクトカウントですが《突風掬い/Gust-Skimmer》には一歩劣ります。
《薄暮狩りのコウモリ/Duskhunter Bat》は2ターン目に狂喜で出したいところなので、1マナが少ないとイマイチ使いにくくなります。《吸血鬼の裂断者/Vampire Lacerator》が多い場合は一考の価値があります。
《雲の精霊/Cloud Elemental》は3マナ2/3飛行がただ強いので、シナジー関係なしに入ります。
3マナ域を並べて見ると唯一カウンターを使うカードである《ヴィグの移植術師/Vigean Graftmage》が使いたくないスペックのカードなので、青黒で増殖は結構難しいのかもしれません。2ターン目に《かき鳴らし鳥/Thrummingbird》を出していた時だけは直ぐに3/3になるのでプレイアブルかな、と思います。
《陰極器/Cathodion》や《鎌切り/Sickleslicer》はアーティファクトシナジーとして申し分のない強さです。
このデッキの《鎌切り/Sickleslicer》は、序盤は相手のタフネス2以下のクリーチャーと相打ちする除去として働き、アーティファクトカウントを残しつつ、終盤に飛行クリーチャーに装備させてキルターンを早めるという仕事をします。
《合金のマイア/Alloy Myr》はマナとしてカウントしつつアーティファクトカウントを稼げます。アーティファクトカウントはこのような戦闘によって消耗しないもので稼ぐと安定しやすいでしょう。《合金のマイア/Alloy Myr》によって3色目のタッチも視野に入ります。
《錆びた秘宝/Rusted Relic》がこのデッキの主力です。本体もアーティファクトなのであと2つアーティファクトを追加するだけで5/5になれるこのカードは、線の細い青黒にとって攻防にわたって活躍します。このカードは青白と奪い合うことになるので、早めに取る必要があります。見たら取るくらいのつもりでピックすれば間違いないでしょう。自身同士もシナジーするので多すぎて困ることもありません。多ければ多いほどよいです。
《フェアリーの機械論者/Faerie Mechanist》は確実にアーティファクトが見つかるなら強いですが、青黒ではそこまで多くならないのでプレイに値しないカードだと思われます。
《ヘリウム噴射獣/Helium Squirter》はプレイアブルな移植持ちのカードで、普通に5マナ3/3飛行のように扱っても及第点で、移植による増殖シナジーを持ちます。
《小走りの死神/Scuttling Death》は《幽霊の変わり身/Ghostly Changeling》と《名も無き転置/Nameless Inversion》を回収できます。この2枚が多く入っているなら、4/2で相打ちしてアドバンテージを稼げるカードになります。このカードを使うために無理して《幽霊の変わり身/Ghostly Changeling》を多めに取るほどではなく、メインは《名も無き転置/Nameless Inversion》の回収なので、《名も無き転置/Nameless Inversion》が取れなければサイドに落としておきましょう。
どちらもそこそこ強いですね。
《霊気撃ち/AEthersnipe》は重めのコントロールに最適な攻守を入れ替える為のカード。
《厳粛な空護り/Somber Hoverguard》は4マナくらいでプレイできれば十分な強さです。
☆コモンスペル
どちらもとても強力な打ち消しです。青黒はクリーチャーがそこまで強力ではないので、相手の脅威はこのような打ち消しや除去で対処することになります。
《睡眠発作/Narcolepsy》は単純に強力な擬似確定除去。
《不気味な苦悩/Grim Affliction》《感染の賦活/Instill Infection》は増殖シナジーを推すカード。
《名も無き転置/Nameless Inversion》は前述の《小走りの死神/Scuttling Death》とのシナジー。普通に使っても普通に強いので、あればあるだけ嬉しいです。
《着実な進歩/Steady Progress》はクリーチャーのカウンターを弄るのが主だと思うのでこのカテゴリーにしました。このカードは増殖しかしないので、このカードの評価は増殖できるか否かにかかっています。《かき鳴らし鳥/Thrummingbird》と似ていますね。
《撤廃/Repeal》《蒸気の絡みつき/Vapor Snag》はこれまでに印刷されたバウンスの中でも強力な2枚なので積極的に取っていけます。
このデッキは《帆凧/Kitesail》よりも《銅の甲殻/Copper Carapace》派。《かき鳴らし鳥/Thrummingbird》の攻撃を継続させるのに一役買います。
増殖して嬉しい蓄積カウンターの乗るコモンのアーティファクトは《太陽の宝球/Sphere of the Suns》しかないようです。増殖する《太陽の宝球/Sphere of the Suns》自体はそこそこ強いのですが、それ以外にも増殖に関係するアーティファクトが欲しかったところです。
《太陽の宝球/Sphere of the Suns》はマナ加速、色マナサポート、アーティファクトカウントの3つの役を果たします。前述の合金のマイアと合わせて多色化を視野にいれることが出来ます。
長期戦を視野にいれる場合、《物読み/Thoughtcast》《血の署名/Sign in Blood》によるドローで引きましすると良いでしょう。
さて、コモンを全部見ましたが、難しいですね。思ったよりも増殖シナジーが弱かったです。
この環境で一番強い増殖は、自分のクリーチャーの上に乗ったカウンターをいくつか同時に増やす動きなのですが、青黒は緑青や赤黒に比べて自分のクリーチャーの上に+1/+1カウンターを乗せる能力が低い気がします。
緑青や赤黒の方が増殖を上手く使えるのでは……と最初の前提が崩れてしまいました。
それでは青黒の強みは何か?と考えると、打ち消しは最高級だし、黒の除去は優秀です。
どうやら青黒はクリーチャーで無理にシナジーを組むよりも、クリーチャー少なめのコントロール風に組むのが強いのかもしれません。
そこで、青黒はアーティファクト・コントロールとしてデッキを考えてみます。
キーカードは《錆びた秘宝/Rusted Relic》です。このカードがきちんとクリーチャー化するか否かで盤面の手堅さが大きく変わります。
デッキは、
・《錆びた秘宝/Rusted Relic》とそれをクリーチャー化する為のアーティファクト達
・フィニッシャーとなる数枚の飛行クリーチャー
・周りを固める青と黒のスペル
という3要素で出来ています。
青と黒のスペルが強く、スペルが多めのデッキになるので、デッキ内のパーマネントはなるべくアーティファクトに。非アーティファクトのクリーチャーは厳選された飛行クリーチャー極一部に絞る必要があります。
注意点としては、普通に「アグロ」に組もうとすると劣化青白アーティファクトになってしまうということです。
青黒は「コントロール」のアプローチでアーティファクトを利用します。
青白と比べて青黒は《きらめく鷹の偶像/Glint Hawk Idol》と《宮廷のホムンクルス/Court Homunculus》分アーティファクトを稼ぎにくいので、そこを《太陽の宝球/Sphere of the Suns》と《合金のマイア/Alloy Myr》でカバーします。
つまり、多色化が青白との差別化の鍵です。元来コントロールと多色化は相性がよく、試合が長引くほどマナ基盤が充実していくのでタッチカラーのカードをプレイしやすくなります。また、青白にはない黒の除去が長期戦を後押しします。
一口に多色化と言っても様々な程度がありますが、青黒の場合は青黒タッチ1色のシングルシンボルまでくらいに留めておくが良いと思います。
ではどう多色化するか。
リミテッドの多色コントロールにというものは、流れてきた強力カードをなるべく自分で使うというピック方針なので、その場その場での流れに寄ることが大きく、予め「こう進もう」と決めて行くものではないのですが、今回はタッチ赤バージョンを推すことにします。
理由は赤には青黒に赤シングルシンボルを足してプレイでき、且つコントロールに向いているカードが多いからです。つまり、赤の除去をタッチするということですね。
今回はいつもの様にアンコモンの全リストを見ることはしません。
代わりに赤タッチをすることで使えるようになる、タッチしてでも使いたいカードを見ていこうと思います。
シングルシンボルで使える優良カードが揃っています。
《粉々/Smash to Smithereens》と《焼却/Combust》はサイドボード用のカードですが、使える相手には追加の除去としてとても強力です。
《電解/Electrolyze》《破壊の宴/Wrecking Ball》はアンコモンですが色拘束がきついので、少し遅い順目でも流れて来やすいかもしれません。そこを青黒の自分が掠め取っていくのは非常に快感です。
《火想者ニヴ=ミゼット/Niv-Mizzet, the Firemind》はダブルシンボルじゃないか、という皆さん。その通りです。ですがこいつは入れましょう。赤をシングルシンボルでタッチするつもりでピックしていたとしても、こいつを見たらひとまずピック。このデッキはアーティファクトの色マナサポートがただの色マナサポートに終わらないので、《火想者ニヴ=ミゼット/Niv-Mizzet, the Firemind》のために更に少し多めの《合金のマイア/Alloy Myr》を入れたとしてもバチは当たらないはずです。
~全体のまとめ~
結論としては、青黒は青黒t赤アーティファクト・コントロールになるのでしょうか。
この記事はとても難産でした。青黒は最初に思ったよりも増殖シナジーが弱かったのです。
そんな中から青黒の生きる道を探し出す作業が大変でした。
特にクリーチャーが弱いです。なんとしても《錆びた秘宝/Rusted Relic》をクリーチャー化したいところ。
その代わりスペルは強いので、適切なスペルを適切なタイミングで唱えられれば見た目よりは強くなると思います。そういう意味では上級者向けです。
もし強力なスペルを山ほど取れた場合は、アーティファクトを並べる余裕がなくなると思うので、アーティファクトシナジーを抜いた、スペルと単体で使えるクリーチャーのみという純粋なデッキも組めるかもしれません。
他には、《永遠溢れの杯/Everflowing Chalice》を2枚位取れた場合は青黒増殖エルドラージなんてデッキも考えられます。
極稀に《吸血鬼の裂断者/Vampire Lacerator》《薄暮狩りのコウモリ/Duskhunter Bat》《かき鳴らし鳥/Thrummingbird》《ヴィグの移植術師/Vigean Graftmage》なんていう増殖アグロも組めるかもしれません。
結論青黒はいろいろな選択肢があります。「絶対にこれ!」という明白なものが無いからですね。その中での僕のオススメとして青黒タッチ赤アーティファクトコントロールを紹介しました。
青の移植と黒の狂喜と-1/-1カウンター、アーティファクトの蓄積カウンターを増殖していきます。
パッとリストを見た感じでは、増殖単体ではデッキ1つ分を作るほどパーツが無いようにみえるので、他にアーティファクトギミックも組み合わせる必要がありそうです。
(最終的に増殖要素は殆ど抜けてしまいました。ここから途中までの文章はそれに至る経緯として読んで下さい)
ではいつも通りコモンから見て行きましょう。
青黒で使える全てのカードをリストにしてあります。明らかに使えないものは予め省いてあります。
特に注意すべきカードは赤字になっています。
☆コモンクリーチャー
1マナ
《病に倒れたルサルカ/Plagued Rusalka(CNS)》《吸血鬼の裂断者/Vampire Lacerator》《皮剥ぎの鞘/Flayer Husk》
《薄暮狩りのコウモリ/Duskhunter Bat》を使うつもりなら《吸血鬼の裂断者/Vampire Lacerator》は重要な1マナ域になるでしょう。僕の予想ではそのパターンは劣化赤黒になりそうなので、積極的に目指す必要はないと思います。流れでやることにはなるかもしれません。
《皮剥ぎの鞘/Flayer Husk》はアーティファクトと言えどあんまり使いたくないです。
2マナ
《かき鳴らし鳥/Thrummingbird》《血の座の吸血鬼/Bloodthrone Vampire》《薄暮狩りのコウモリ/Duskhunter Bat》《Rayne, Academy Chancellor》《鎌の切り裂き魔/Sickle Ripper》《突風掬い/Gust-Skimmer》《ルーンの苦役者/Runed Servitor》
《かき鳴らし鳥/Thrummingbird》は増殖のシナジーに最も依存したカードです。ただの1/1飛行のスペックはデッキに入るレベルではないので、如何に増殖出来るかがこのカードの価値を決めます。アンコモン以下で複数回増殖できるのもこのカードだけなので、上手く増殖できればどんどんアドバンテージを稼ぐことが出来ます。
カウンターを扱う青黒のコモンの中で扱いやすい部類に入るのが《鎌の切り裂き魔/Sickle Ripper》です。
増殖をしなくても2マナのクリーチャーとして十分な仕事をするのが偉いですね。万が一2点で倒しきれない戦闘になった時に、増殖でトドメをさせるのでシナジーをしている気にさせますが、最初の段階で損しているのでそこまで得をしているわけでもないのです。損をしなかったことになるだけです。どんなに増殖を頑張っても、タルキール龍紀伝の2/1接死に追いつくだけ、と言えば分かりやすいでしょうか。
注目したいのが《突風掬い/Gust-Skimmer》です。マナがかかるとはいえ、中盤終盤に空から殴れるのは偉大で、さらにアーティファクトカウントを稼いでくれます。《ルーンの苦役者/Runed Servitor》も同じアーティファクトカウントですが《突風掬い/Gust-Skimmer》には一歩劣ります。
《薄暮狩りのコウモリ/Duskhunter Bat》は2ターン目に狂喜で出したいところなので、1マナが少ないとイマイチ使いにくくなります。《吸血鬼の裂断者/Vampire Lacerator》が多い場合は一考の価値があります。
3マナ
《雲の精霊/Cloud Elemental》《ヴィグの移植術師/Vigean Graftmage》《幽霊の変わり身/Ghostly Changeling》《合金のマイア/Alloy Myr》《まばゆい魂喰い/Blinding Souleater》《陰極器/Cathodion(USG)》《鎌切り/Sickleslicer》
《雲の精霊/Cloud Elemental》は3マナ2/3飛行がただ強いので、シナジー関係なしに入ります。
3マナ域を並べて見ると唯一カウンターを使うカードである《ヴィグの移植術師/Vigean Graftmage》が使いたくないスペックのカードなので、青黒で増殖は結構難しいのかもしれません。2ターン目に《かき鳴らし鳥/Thrummingbird》を出していた時だけは直ぐに3/3になるのでプレイアブルかな、と思います。
《陰極器/Cathodion》や《鎌切り/Sickleslicer》はアーティファクトシナジーとして申し分のない強さです。
このデッキの《鎌切り/Sickleslicer》は、序盤は相手のタフネス2以下のクリーチャーと相打ちする除去として働き、アーティファクトカウントを残しつつ、終盤に飛行クリーチャーに装備させてキルターンを早めるという仕事をします。
《合金のマイア/Alloy Myr》はマナとしてカウントしつつアーティファクトカウントを稼げます。アーティファクトカウントはこのような戦闘によって消耗しないもので稼ぐと安定しやすいでしょう。《合金のマイア/Alloy Myr》によって3色目のタッチも視野に入ります。
4マナ
《フェアリーの機械論者/Faerie Mechanist》《錆びた秘宝/Rusted Relic》
《錆びた秘宝/Rusted Relic》がこのデッキの主力です。本体もアーティファクトなのであと2つアーティファクトを追加するだけで5/5になれるこのカードは、線の細い青黒にとって攻防にわたって活躍します。このカードは青白と奪い合うことになるので、早めに取る必要があります。見たら取るくらいのつもりでピックすれば間違いないでしょう。自身同士もシナジーするので多すぎて困ることもありません。多ければ多いほどよいです。
《フェアリーの機械論者/Faerie Mechanist》は確実にアーティファクトが見つかるなら強いですが、青黒ではそこまで多くならないのでプレイに値しないカードだと思われます。
5マナ
《ヘリウム噴射獣/Helium Squirter》《戦慄の徒食者/Dread Drone》《小走りの死神/Scuttling Death》
《ヘリウム噴射獣/Helium Squirter》はプレイアブルな移植持ちのカードで、普通に5マナ3/3飛行のように扱っても及第点で、移植による増殖シナジーを持ちます。
《小走りの死神/Scuttling Death》は《幽霊の変わり身/Ghostly Changeling》と《名も無き転置/Nameless Inversion》を回収できます。この2枚が多く入っているなら、4/2で相打ちしてアドバンテージを稼げるカードになります。このカードを使うために無理して《幽霊の変わり身/Ghostly Changeling》を多めに取るほどではなく、メインは《名も無き転置/Nameless Inversion》の回収なので、《名も無き転置/Nameless Inversion》が取れなければサイドに落としておきましょう。
6マナ
《霊気撃ち/AEthersnipe》《厳粛な空護り/Somber Hoverguard》
どちらもそこそこ強いですね。
《霊気撃ち/AEthersnipe》は重めのコントロールに最適な攻守を入れ替える為のカード。
《厳粛な空護り/Somber Hoverguard》は4マナくらいでプレイできれば十分な強さです。
☆コモンスペル
打ち消し
《マナ漏出/Mana Leak》《冷静な反論/Stoic Rebuttal》
どちらもとても強力な打ち消しです。青黒はクリーチャーがそこまで強力ではないので、相手の脅威はこのような打ち消しや除去で対処することになります。
除去
《睡眠発作/Narcolepsy》《骨の粉砕/Bone Splinters》《不気味な苦悩/Grim Affliction》《感染の賦活/Instill Infection》《名も無き転置/Nameless Inversion》《減縮/Shrivel》《はらわた撃ち/Gut Shot》
《睡眠発作/Narcolepsy》は単純に強力な擬似確定除去。
《不気味な苦悩/Grim Affliction》《感染の賦活/Instill Infection》は増殖シナジーを推すカード。
《名も無き転置/Nameless Inversion》は前述の《小走りの死神/Scuttling Death》とのシナジー。普通に使っても普通に強いので、あればあるだけ嬉しいです。
戦闘関連
《撤廃/Repeal》《蒸気の絡みつき/Vapor Snag》《着実な進歩/Steady Progress》《ヴェリズ・ヴェルの翼/Wings of Velis Vel》《銅の甲殻/Copper Carapace》《帆凧/Kitesail》《使徒の祝福/Apostle’s Blessing》
《着実な進歩/Steady Progress》はクリーチャーのカウンターを弄るのが主だと思うのでこのカテゴリーにしました。このカードは増殖しかしないので、このカードの評価は増殖できるか否かにかかっています。《かき鳴らし鳥/Thrummingbird》と似ていますね。
《撤廃/Repeal》《蒸気の絡みつき/Vapor Snag》はこれまでに印刷されたバウンスの中でも強力な2枚なので積極的に取っていけます。
このデッキは《帆凧/Kitesail》よりも《銅の甲殻/Copper Carapace》派。《かき鳴らし鳥/Thrummingbird》の攻撃を継続させるのに一役買います。
その他
《時間の把握/Telling Time》《物読み/Thoughtcast》《死の否定/Death Denied》《血の署名/Sign in Blood》《目覚めの悪夢/Waking Nightmare》《太陽の宝球/Sphere of the Suns》《旅人のガラクタ/Wayfarer’s Bauble》
増殖して嬉しい蓄積カウンターの乗るコモンのアーティファクトは《太陽の宝球/Sphere of the Suns》しかないようです。増殖する《太陽の宝球/Sphere of the Suns》自体はそこそこ強いのですが、それ以外にも増殖に関係するアーティファクトが欲しかったところです。
《太陽の宝球/Sphere of the Suns》はマナ加速、色マナサポート、アーティファクトカウントの3つの役を果たします。前述の合金のマイアと合わせて多色化を視野にいれることが出来ます。
長期戦を視野にいれる場合、《物読み/Thoughtcast》《血の署名/Sign in Blood》によるドローで引きましすると良いでしょう。
さて、コモンを全部見ましたが、難しいですね。思ったよりも増殖シナジーが弱かったです。
この環境で一番強い増殖は、自分のクリーチャーの上に乗ったカウンターをいくつか同時に増やす動きなのですが、青黒は緑青や赤黒に比べて自分のクリーチャーの上に+1/+1カウンターを乗せる能力が低い気がします。
緑青や赤黒の方が増殖を上手く使えるのでは……と最初の前提が崩れてしまいました。
それでは青黒の強みは何か?と考えると、打ち消しは最高級だし、黒の除去は優秀です。
どうやら青黒はクリーチャーで無理にシナジーを組むよりも、クリーチャー少なめのコントロール風に組むのが強いのかもしれません。
そこで、青黒はアーティファクト・コントロールとしてデッキを考えてみます。
クリーチャー
1マナ
無し
2マナ
《鎌の切り裂き魔/Sickle Ripper》《突風掬い/Gust-Skimmer》《ルーンの苦役者/Runed Servitor》
3マナ
《雲の精霊/Cloud Elemental》《陰極器/Cathodion》《鎌切り/Sickleslicer》《合金のマイア/Alloy Myr》
4マナ
《錆びた秘宝/Rusted Relic》《厳粛な空護り/Somber Hoverguard》
5マナ
《ヘリウム噴射獣/Helium Squirter》
6マナ
《霊気撃ち/AEthersnipe》
スペル
《マナ漏出/Mana Leak》《冷静な反論/Stoic Rebuttal》《睡眠発作/Narcolepsy》《不気味な苦悩/Grim Affliction》《感染の賦活/Instill Infection》《名も無き転置/Nameless Inversion》《撤廃/Repeal》《蒸気の絡みつき/Vapor Snag》《物読み/Thoughtcast》《血の署名/Sign in Blood》《太陽の宝球/Sphere of the Suns》
キーカードは《錆びた秘宝/Rusted Relic》です。このカードがきちんとクリーチャー化するか否かで盤面の手堅さが大きく変わります。
デッキは、
・《錆びた秘宝/Rusted Relic》とそれをクリーチャー化する為のアーティファクト達
・フィニッシャーとなる数枚の飛行クリーチャー
・周りを固める青と黒のスペル
という3要素で出来ています。
青と黒のスペルが強く、スペルが多めのデッキになるので、デッキ内のパーマネントはなるべくアーティファクトに。非アーティファクトのクリーチャーは厳選された飛行クリーチャー極一部に絞る必要があります。
注意点としては、普通に「アグロ」に組もうとすると劣化青白アーティファクトになってしまうということです。
青黒は「コントロール」のアプローチでアーティファクトを利用します。
青白と比べて青黒は《きらめく鷹の偶像/Glint Hawk Idol》と《宮廷のホムンクルス/Court Homunculus》分アーティファクトを稼ぎにくいので、そこを《太陽の宝球/Sphere of the Suns》と《合金のマイア/Alloy Myr》でカバーします。
つまり、多色化が青白との差別化の鍵です。元来コントロールと多色化は相性がよく、試合が長引くほどマナ基盤が充実していくのでタッチカラーのカードをプレイしやすくなります。また、青白にはない黒の除去が長期戦を後押しします。
一口に多色化と言っても様々な程度がありますが、青黒の場合は青黒タッチ1色のシングルシンボルまでくらいに留めておくが良いと思います。
ではどう多色化するか。
リミテッドの多色コントロールにというものは、流れてきた強力カードをなるべく自分で使うというピック方針なので、その場その場での流れに寄ることが大きく、予め「こう進もう」と決めて行くものではないのですが、今回はタッチ赤バージョンを推すことにします。
理由は赤には青黒に赤シングルシンボルを足してプレイでき、且つコントロールに向いているカードが多いからです。つまり、赤の除去をタッチするということですね。
今回はいつもの様にアンコモンの全リストを見ることはしません。
代わりに赤タッチをすることで使えるようになる、タッチしてでも使いたいカードを見ていこうと思います。
コモン
《噴出の稲妻/Burst Lightning》《粉々/Smash to Smithereens》《部族の炎/Tribal Flames》
アンコモン
《稲妻/Lightning Bolt》《電解/Electrolyze》《焼却/Combust》《破壊の宴/Wrecking Ball》
レア
《苦悩火/Banefire》
神話レア
《火想者ニヴ=ミゼット/Niv-Mizzet, the Firemind》
シングルシンボルで使える優良カードが揃っています。
《粉々/Smash to Smithereens》と《焼却/Combust》はサイドボード用のカードですが、使える相手には追加の除去としてとても強力です。
《電解/Electrolyze》《破壊の宴/Wrecking Ball》はアンコモンですが色拘束がきついので、少し遅い順目でも流れて来やすいかもしれません。そこを青黒の自分が掠め取っていくのは非常に快感です。
《火想者ニヴ=ミゼット/Niv-Mizzet, the Firemind》はダブルシンボルじゃないか、という皆さん。その通りです。ですがこいつは入れましょう。赤をシングルシンボルでタッチするつもりでピックしていたとしても、こいつを見たらひとまずピック。このデッキはアーティファクトの色マナサポートがただの色マナサポートに終わらないので、《火想者ニヴ=ミゼット/Niv-Mizzet, the Firemind》のために更に少し多めの《合金のマイア/Alloy Myr》を入れたとしてもバチは当たらないはずです。
~全体のまとめ~
結論としては、青黒は青黒t赤アーティファクト・コントロールになるのでしょうか。
この記事はとても難産でした。青黒は最初に思ったよりも増殖シナジーが弱かったのです。
そんな中から青黒の生きる道を探し出す作業が大変でした。
特にクリーチャーが弱いです。なんとしても《錆びた秘宝/Rusted Relic》をクリーチャー化したいところ。
その代わりスペルは強いので、適切なスペルを適切なタイミングで唱えられれば見た目よりは強くなると思います。そういう意味では上級者向けです。
もし強力なスペルを山ほど取れた場合は、アーティファクトを並べる余裕がなくなると思うので、アーティファクトシナジーを抜いた、スペルと単体で使えるクリーチャーのみという純粋なデッキも組めるかもしれません。
他には、《永遠溢れの杯/Everflowing Chalice》を2枚位取れた場合は青黒増殖エルドラージなんてデッキも考えられます。
極稀に《吸血鬼の裂断者/Vampire Lacerator》《薄暮狩りのコウモリ/Duskhunter Bat》《かき鳴らし鳥/Thrummingbird》《ヴィグの移植術師/Vigean Graftmage》なんていう増殖アグロも組めるかもしれません。
結論青黒はいろいろな選択肢があります。「絶対にこれ!」という明白なものが無いからですね。その中での僕のオススメとして青黒タッチ赤アーティファクトコントロールを紹介しました。
コメント
これまで漫然としたドラフトしかできていなかった自分に施行を授けてください